ワレモノ

お気楽に感想おねがいします^^

2017-07

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醜い花

小さな星がありました。
星には海がありまして、海の中には大陸が
大陸の中には緑の森がありました。

野には花が咲き、森には樹々が育っておりました。

さて大陸の真ん中に、薄紫の湖がありまして

そのほとりには一輪、

見たことも聞いたこともない花が、恥ずかしそうに控えめにこ

っそり咲いていました。




「醜い花」というのがその花につけられた名前でした。

誰が呼んだのか知らないけど、なんという、、、情けない悲惨な命名なのでしょうか。

もしもあなたが、「醜い女」「醜い男」と名づけられ呼び交わされたらどうでしょう。

それは他人には名乗れない名前なんじゃないでしょうか。。。



もちろん醜い花も、自分の名前が嫌いでした。

そればかりか自分の容姿自分の匂いも自分の全てが嫌いでした。

何故ならその名の通り、
醜い花はまったく、救いようのないほど醜かったのです。

花びらはまるでただれた皮膚のようで、茶色とも、灰色ともつかない色は、泥のような。。。
しかも
ぬるぬるねばねばしててさわる気などおきません。

茎は無駄に太くて長くあちこち伸びてる上に、鋭い棘がびっしりとはっぱのかわりにはえていました。

もう何年も前に小さな虫がその棘に触れたとたんに死んでしまいました。

棘には毒があり、そのせいで鼻がもげそうな匂いがただよっていました。


当然、他の花は醜い花を拒み嫌っていました。

その醜い花のことを考えただけでも、萎れてかれてしまうんじゃないかといわれて、誰も近づくものはおりませんでした。



早く枯れてしまえばいいのに。

みんながみんなそう思っておりました。

醜い花じしんも、そう願っていました。

一刻も早くこの世から消えてなくなりたい。

醜い花はつぼみの頃から消えることばかりを考えていました。

数えきれない月日が流れても醜い花はまったく枯れませんでした。
それでころか、茎はぐんぐん伸びて花びらも育ち嫌なにおいも
どんどんきつくなっていきました。
他の草花たちも、虫たちも他の地域に移り住みました。
醜い花はなげきかなしみました。
ところが、泣けば泣くほど普段よりももっと臭い匂いがたちこめました。醜い花はもう泣くのもやめて、じっとすることにしました。
時たま水面に映る自分の姿をこっそりたしかめました。
もしかしたら、奇跡が起きて美しくなっているかもしれないと思ったりしたからでした。
けれどもそこにうつるのはおぞましい自分の姿でした。
みるたびに醜い花は絶望しました。


もう1億回も絶望しました。

「なぜなのです!」
或時醜い花は月を見上げて問いかけました。

もう、問うとうしかすべがなかったのです。


「なぜ私はこんな姿で咲いているのですか?」

涙をこらえて必死でと問うていたところ、どこからともなく声がしました。

夜空の月の向こう側に誰かがいて醜い私に語りかけてきたのです。



「お前が咲いてるのにはそれ相応の理由がある」
声はそういいました。

醜い花は驚いてしばらく言葉を失いました。

何しろ産まれてこの方誰かと話すのはこれがはじめてだったからです。


「その理由を教えてください!」



「その理由を教えてください」
ややあってから問いかけると、声はこうこたえました。

『みんなのためだ』

醜い花は困惑しました。

みんなのため?
けれどもみんなは醜い花を忌まわしみ、嫌い、死ねばいいのにと願ってるじゃあありませんか!
咲いてるより、枯れたほうがみんなのためになるはずです。

「なぜ私は枯れて死なないのですか?」
今度はこうたずねてみました。

『みんなのためだ』

醜い花はうなだれて、きっと自分はからかわれているんだと
思いました。あまりにも醜くいから天も自分が嫌いでからかわれているんだ。

口にはださずとも、天はまた返してきました。

『おまえは決して醜くはない。
みんなのために咲いてるおまえの美しさも私は知っている。』

「本当ですか?」

『私は嘘をつかない。私にはおまえの美しさがわかるのだ』

「だけど、私はみんなから、嫌われているのです」

『ならばたずねるが、お前は誰に美しいと思われたいのだ?誰に好かれたら満足なんだ?』

醜い花は答えに困りました。

美しくなりたい、すかれたいと思うけど、「誰に?」と問われると思い当たるふしはありません。

『誰からも美しいと思われたいのか。誰もかれもがお前をスキになれば満足か』

醜い花は恥じ入って赤面し、花びらがどす黒く変色しました。

『ずいぶん昔、ある恥知らずな者の願いを叶えてやったことがある。誰からも好かれ、誰からも美しいといわれたいという願いだ。そのかわり、誰も好きになれず、なにも美しいとおもえなくなるがよいか。とたずねると、それでもいいと言い張るので願いを叶えてやった』

「そのものは醜かったのですか?」

『見かけはただ鼻がまがっていただけだ。しいかし、心がひどく曲がっていて醜かった』

「それで・・・どうなったんですか?」

『最後はお前よりも恐ろしい孤独の中で狂って死んでしまった』

やがて、声はいいました。

『自分よりも美しいものに囲まれていることは不幸であるか? 好まれまいが 好きになることは不幸であるか?』

そういうと、声は聞こえなくなりました。

醜い花は天を仰いで見ました。
産まれて初めてうれし泣きに泣きました。

自分はこのありとあらゆるもののことが大好きだ。
そして自分は美しくて大好きなみんなのために咲いているんだ
そう信じよう。

この夜をさかいに、2度と自分の醜さを気に病まなくなりました

それから何千年と年をかさね、それでも醜い花は枯れることなく咲き続けました。

世代は変わっても昆虫や花たちはそれでも醜い花を嫌っていました。

枯れて死んでしまえばいいのに と誰もがやっぱり思っていました。



あーいやだいやだ 寒気がするといってみんなが退く中、ただ1種類別の生物だけは違いました。

最近この大陸に増え始めた  ニンゲン ていう生物です。

彼らは湖のほとりに美しい町をつくるのだと言って
あたりを調査しはじめました。


そして或る日のことです。
ニンゲンは巨大な虫に似たキカイに乗って薄紫の湖に現れました。

臭い匂いを跳ね返す袋をかぶり、分厚い手袋をつけ、手には刃物を持ち醜い花に近づいてきました。


こんな気持ちの悪い、臭くて、枯れない花はきっと悪魔にのろわれていると決め付けてニンゲンは醜い花を根こそぎ刈って殺してしまおうと考えていました。



すでにこの時がきた。

醜い花は喜んで、ニンゲンを向かい入れました。

ニンゲンはあの羽虫以来近づいてきた生物でした。
醜い花はニンゲンを一目で気に入り、好きになりました。
好きなものがふえるのは自分の幸せがふえるのと同じことです。


醜い花は幸せでした。

その瞬間
「この醜い化け物め!!!」と言い放ち、醜い花に刃物を振り落として茎をすっぽり切りました。


地面に落ちた花を踏み潰し、根こそぎ根を引き抜こうとしましたが、根はなかなかしぶとく、掘り起こせませんでした。

「よしキカイで掘り出してやる」

巨大なシャベルで掘りおこしたとき、ニンゲンは驚いて
しばし止まってしまいました。

土の中に隠れていた根っこは鮮やかな虹色で光り輝いていて今まで見てきた美しいもの以上に美しかったのです。
あまりの美しさに、驚き、たじろぎました。
ニンゲンは自分のしたことが怖くなり、逃げ出してしまいました。

この時、醜い花はやっと自分がしてきたことがわかりました。

醜い花の根はこの大陸の隅から墨まで広く太く張り巡らされていて、そして何千年ものまえに、汚染された土の毒素を
必死に吸い上げていたのです。
あんなにも醜く、茎に毒があるのもすべて大陸からすいあげていた毒素のせいでした。




みんなのためだ


あの夜の声の意味がやっとわかりました。

ああ、、本当に自分はみんなのために咲いていたんだ


喜びに包まれて醜い花は枯れゆきやがてはかなくなくなりました。


その日から大陸は死の影に侵されはじめました。
大量の毒素が一気に土からあふれでてきました。


虫も花もばたばたとたおれ、かれてゆきました。

一番往生際が悪かったのがニンゲンです。
けれども2年もしないうちに彼らの姿も消えてしまいました。



end

原田 宗典、奥山 民枝、ウィリアム・エリオット、 川村 和夫
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